[2016年6月8日19時02分更新]

第245回「海外の生産者たちがディープインパクトの血を狙っています。ラニのベルモントSまであと3日」

今朝は美浦トレセンで取材。小島茂師から「安田記念当たってたね、おめでとう」と言っていただいて照れくさかったり、藤沢和師から「3週目、4週目に東京で新馬を出すけど、いいぞ」とささやかれて心が躍ったり、初めての芝だった前走で狙って悔しい思いをしてエプソムCに出てきたら絶対に◎を打とうと思っていたオリオンザジャパンが「土曜のアハルテケSへ」(小西師)と聞いてションボリしたり、ドゥラメンテを先頭に歩く堀厩舎の隊列で各馬がきれいに手入れされていることに息を飲んだり…、

エプソムCへ向けた追い切りを終えて引き上げてきたロジチャリス(右)

エプソムCへ向けた追い切りを終えて引き上げてきたロジチャリス(右)

東京5週連続G1は終わりましたが、今週もしっかり取材し、週末にいい予想をしようと思っています

ダービーの日も安田記念の日もそうでしたが、地下馬道からパドックへ向かうG1出走馬を間近で見ているとき、いつも近くで必ず見かけるのが牧場関係者の方々。特に種馬場で働いている人たちは、将来の種牡馬候補たちを評価しようとすごい視線を注いでいます。馬体はもちろん、「ツメをしっかり見ます」とのこと。先日食事した方は「今年のダービーの上位5頭はどの馬もすごい」と話していました。

新馬戦が始まり、アイルハヴアナザールーラーシップジョーカプチーノなどの初年度産駒がデビュー。何が当たるかわからないのが生産の仕事。海外の素晴らしい種牡馬の産駒もどんどんと輸入され、また海外の生産者たちも日本の血統をかつてないほど狙ってきています

ルーラーシップ産駒の良血ラボーナ(藤沢和師が言っていた「3週目、4週目の新馬」は別の馬です)

ルーラーシップ産駒の良血ラボーナ(藤沢和師が言っていた3週目、4週目の新馬は別の馬です)

先日、英オークスを勝ち、凱旋門賞候補にも挙がっているマインディング(牝3、A・オブライエン、父ガリレオ)。調べると、この馬の1歳上の全姉にキスドバイエンジェルズという馬がいるのですが、この馬、輸入されていて、現在はノーザンファームが預託され、繫養(けいよう)しています。現役時はマインディングと同じく、アイルランドのエイダン・オブライエン厩舎クールモアの勝負服で走り、愛1000ギニートライアルを勝っている馬です。

以前に同様に、オブライエン厩舎&クールモアの馬で輸入されたメイビー(父ガリレオ)という牝馬がいました。デビューから5連勝でモイグレアスタッドSを制した11年の欧州最優秀2歳牝馬。このメイビーは14、15年と2年連続でディープインパクトと交配。15年に生まれたのは牝馬でしたが、おそらく子どもたちはアイルランドでクールモアの勝負服で走るのでしょう。キスドバイエンジェルズが日本に来た理由も同じでは…。

近い将来、3年後くらいにはエプソムの大舞台を駆け抜けるディープインパクト産駒の姿を我々は見ることになるのかも…。その馬が英ダービーや英オークス、愛ダービーなんかを勝っちゃったり、凱旋門賞を勝っちゃったり、アスコットでキングジョージや英チャンピオンSを走ったり…、いずれはクールモアで種牡馬になったり…、なんて。ない話ではありません。

ベルモントS(G1、ダート2400メートル、11日=ベルモントパーク)に挑むラニは日本の生産者が世界と戦い、戦うために誕生した馬。サンデーサイレンスの血が流れ、母は日本の天皇賞・秋を制し、父は米国の人気種牡馬タピット。無事に3日後、レースに挑み、大仕事を成し遂げ、歴史にその名を刻んでほしいなと思います

【木南 友輔】