[2016年1月21日17時44分更新]

第96回「偉大なキングマンボ、そして、キングカメハメハ、また、ミエスク…」

20日、世界中でキングマンボ(牡26、父ミスタープロスペクター)の死が報じられました。ブラッドホース電子版は「真の世界的な種牡馬」と評し、日本のエルコンドルパサー(98年NHKマイルCジャパンC、99年サンクルー大賞でG1・3勝、99年凱旋門賞2着)、フランスのディヴァインプロポーションズルメールとのコンビでG1・5勝の名牝)、アメリカのレモンドロップキッド(99年ベルモントSカリズマティックの3冠阻止、G1・5勝)の名前を最初に挙げています。

キングカメハメハ(昨年8月、社台スタリオンステーションにて)

キングカメハメハ(昨年8月、社台スタリオンステーションにて)

昨年の夏、社台スタリオンステーションを取材したとき、はっきりと感じたのは、サンデーサイレンスの種牡馬がサンデー孫世代に入ったこと、それから、キングカメハメハの血が日本でどんどん広がっていくんだろうなあ、ということでした。社台スタリオンステーションの方も「サンデー系の種牡馬もひと言でサンデー系とまとめられなくなっている」とおっしゃっていましたが、なるほどと思いました。続々と登場してくるキングカメハメハ系を感じさせる素晴らしい種牡馬…、サンデー系というくくりがなくなり、非サンデー系というくくりもなくなってきます。

ロードカナロア(昨年8月、社台スタリオンステーションにて)

ロードカナロア(昨年8月、社台スタリオンステーションにて)

キングカメハメハ産駒はラブリーデイ(牡6、池江)、ドゥラメンテ(牡4、堀)、ホッコータルマエ(牡7、西浦)を筆頭に現役馬が今年も日本の競馬を盛り上げてくれるはず。そのキングカメハメハ産駒の種牡馬は、ルーラーシップ(12年クイーンエリザベス2世C)、ロードカナロア(12、13年香港スプリント連覇などG1・6勝)、ベルシャザール(13年JCダート)、トゥザグローリー(重賞5勝)、ローズキングダム(09年朝日杯FS、10年ジャパンC)…、今後もどんどん増えていくでしょうし、これらの種牡馬の産駒がまた日本のターフで活躍してくれるのは間違いないでしょう。

ベルシャザール(昨年8月、社台スタリオンステーションにて)

ベルシャザール(昨年8月、社台スタリオンステーションにて)

キングカメハメハから広がっていくのが、その父キングマンボの血。キングマンボといえば、その母がG1・10勝の名牝ミエスク(父ヌレイエフ)で、このミエスクの血への期待も大きい。3代母にミエスクを持つのが昨年の共同通信杯覇者で皐月賞&菊花賞2着のリアルスティール(牡4、矢作、父ディープインパクト)、その全弟で今年のクラシック候補プロディガルサン(牡3、国枝)。2代母(祖母)ミエスクなのが、準オープンで活躍しているマンボネフュー(牡6、国枝、父バゴ)。マンボネフューの半弟テイルオブライフ(牡4、父ディープインパクト)は昨年フランスのクラシック候補でした(現在はアメリカに移籍)。

一昨年の7月、アイルランドへ行って、愛オークス(G1、芝2400メートル)を見ました。勝ったモンジュー産駒ブレスレット(祖母アーバンシー、近親ガリレオシーザスターズの良血馬)以上に気になったのが、ものすごい脚で追い込んできたガリレオ産駒タペストリーでした。ライアン・ムーアが騎乗した次走ヨークシャーオークスタグルーダ(無敗で英オークスキングジョージを制した名牝)に初黒星をつけた走りはしびれるもの。このタペストリーの血統を調べたら、母ランプルスティルツキンはG1・2勝、そして、3代母がミエスクでした。先週日曜京都の6R新馬戦(芝1800メートル)で2着だったフリーフォール(牡3、角居、父ヴィクトワールピサ)は祖母がランプルスティルツキンですから、この馬もミエスクの血を引き、キングマンボと同じ一族。今後に注目の良血馬です。

14年愛オークス、紺色の勝負服タペストリーは外を追い込んで2着

14年愛オークス、紺色の勝負服タペストリーは外を追い込んで2着

キングカメハメハ以外のキングマンボ系は…、早世したエルコンドルパサー菊花賞馬ソングオブウインドを出し、昨年はマリアライト(牝5、久保田、父ディープインパクト)、リアファル(牡4、音無、父ゼンノロブロイ)の母の父として存在感を見せました。現役時に05年ジャパンC2分22秒1のレコードで制したアルカセットは種牡馬としては不調に終わっています。英セントレジャー覇者ルールオブローは1200メートルの重賞を2勝したアンバルブライベンが最も活躍した馬になっています。

ダービー馬エイシンフラッシュ(昨年8月、社台スタリオンステーションにて)

ダービー馬エイシンフラッシュ(昨年8月、社台スタリオンステーションにて)

要注目は「キングマンボ→キングズベスト→エイシンフラッシュ」のラインキングズベストアーバンシーの半弟という良血。ガリレオシーザスターズの近親(おじ)ということでヨーロッパ向きのパワーを持っていて、そのなかで日本ダービーエイシンフラッシュを出しました。日本に輸入されたキングズベスト、そして、その子エイシンフラッシュからどんな大物が出るのか、キングカメハメハとは違うキングマンボ系種牡馬の活躍も気になります。最後に母の父としてのキングマンボ春の天皇賞馬スズカマンボを出しました。スズカマンボ産駒の激走にも今週は警戒したいですね。東海S(G2、ダート1800メートル、24日=中京)にはイッシンドウタイ(牡7、伊藤圭)が出走します。

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【木南 友輔】