海外競馬コラム「キナミのつぶやき」|極ウマ・プレミアム

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[2016年12月6日17時46分更新]

第414回「阪神JF&香港国際競走週間②~フランケルとナサニエルと、グランプリボスとウートンバセット」

怪物フランケルその引退レースは12年の英チャンピオンSでした

12年英チャンピオンS前日のレーシングポスト。ヒースロー空港にて購入

12年英チャンピオンS前日のレーシングポスト。ヒースロー空港にて購入

ヒースロー空港に着いて、お金をおろして、売店でレーシングポストを勝って、1面の見出しは…、「バッドニュース! もし明日の馬場がヘビーならフランケルは走らない! グッドニュース! 天気は回復していく予報で、フランケルは出走表に名前を連ねている!」。どっちだー!

12年英チャンピオンS当日のレーシングポスト。アスコットに向かう列車の車内にて

12年英チャンピオンS当日のレーシングポスト。アスコットに向かう列車の車内にて

当日は曇り空。アスコット競馬場の記者席に着いて、コーヒーを飲みながら、場内を歩きながら、最初のレースが始まった頃でしょうか、プレスルーム内に紙が配られました。「グリーンライト(青信号)だ」。フランケルを所有するアブドゥラ殿下のレーシングマネジャー、グリムソープさんの名前が書かれてあったと記憶してます。この馬場状態なら走る、と。そして、無事にフランケルはラストランを走り終えました

フランケルがなぜすごいのかを語る上でまず始めに知っておきたい、伝えたいのは、やはり、「破った馬たちのその後がすごいこと」だと思います。14戦のキャリアで戦ってきた相手を見てみます。

まず、日本流に言えば、「伝説の新馬戦」で戦ったのが…。10年8月、ニューマーケット競馬場のジュライコース、芝1600メートルのデビュー戦は2着に半馬身差の勝利でした。その2着馬があのナサニエル。翌年に3歳でキングジョージを勝った馬です。古馬になった4歳時はエクリプスSでG1・2勝目、連覇を狙ったキングジョージは前年の凱旋門賞馬デインドリームと激闘の末に2着、愛チャンピオンSはスノーフェアリーの2着、そして、ラストランはデビュー戦以来となるフランケルとの対戦で3着でした。フランケルから半馬身差2着のナサニエルから5馬身差の3着だったジーニアスビーストという馬も翌年春にG3を勝ち、重賞ウイナーになっています。

2着に10馬身差をつけた3戦目のG2ロイヤルロッジS。このときの3着馬がトレジャービーチ。翌年の英ダービーでプールモアの頭差2着に入り、愛ダービーを快勝した馬です。米G1セクレタリアトSも勝って、ドバイ、香港などでも走りました。

4戦目、2歳最後の一戦はデューハーストS。2馬身4分の1差2着ロデリックオコナーは次走サンクルー競馬場のクリテリウムインターナショナル、翌年の愛2000ギニーを勝つ馬です。5着はモルニ賞、ミドルパークSでG1を2勝していたドリームアヘッド。翌年にジュライC、スプリントC、ラフォレ賞と3つのG1を勝つ馬です。

3歳初戦のG3で4馬身ちぎったエクセレブレーションとはその後、4度対戦。エクセレブレーションはセントジェームズパレスS3着、クイーンエリザベス2世Sが4馬身差2着、ロッキンジSが5馬身差2着、クイーンアンSが11馬身差2着。フランケルと激突しなかったムーランドロンシャン賞、ジャックルマロワ賞、クイーンエリザベス2世SでG1を3勝しました。英2000ギニーで6馬身ちぎられたドバウィゴールドはその後もG1で好走、G2を勝っているし、3着馬ネイティブカーンは次走英ダービーでプールモアから2馬身半差の5着に入っています。

そして、セントジェームズパレスSです。2着ゾファニーは前年のフェニックスS覇者(※このときの鞍上はライアン・ムーア)。3着エクセレブレーション、5着ドリームアヘッド、6着ドバウィゴールド、7着ウートンバセット、8着グランプリボス。先日、菊花賞の週に矢作師と話したときに、アルマンゾルの話題に…。今年の英愛チャンピオンS制覇をやってのけた仏ダービー馬の父がこのウートンバセットでした。

古馬と初対戦になった11年夏のサセックスS。2着はキャンフォードクリフス。前年の愛2000ギニー、セントジェームズパレスS、サセックスS、ロッキンジS、クイーンアンSでG1・5連勝中だった1歳上のマイラーを5馬身ちぎりました(※キャンフォードクリフスはこれがラストラン)。

3歳ラストのクイーンエリザベス2世Sは4馬身差2着が前述のとおり、エクセレブレーション。そこから3馬身半遅れた3着がコロネーションS、ジャックルマロワ賞でG1を連勝中だったイモータルヴァースでした(※次走は日本のマイルCSで7着)。4着ドバウィゴールド、5着がG1・2勝ディックターピン、6着が前年覇者ポエッツヴォイス、7着は世界中に遠征して豪G1を勝つサイドグランス

4歳初戦はロッキンジS、2戦目はクイーンアンSでエクセレブレーション以下をぶっちぎります。4歳夏、最後のマイル戦になったサセックスSは2着ファーに6馬身差。このファーはプリンスオブウェールズSでソーユーシンクの3着、エクリプスSでナサニエルの2着という馬でした。翌年、ロッキンジSと英チャンピオンSを勝つ馬。昨年、ダルハムホールスタッドに行ったとき、種牡馬になったファーを見ることができました。

さあ、ラスト2戦。

英インターナショナルSは前走に続きファーが7馬身差2着。3着はセントニコラスアビー。13年ドバイシーマクラシックでジェンティルドンナを突き放し、11~13年にエプソムのG1コロネーションCを3連覇、09年レーシングポストT、11年BCターフを制した名馬でした。セントニコラスアビーから6馬身差の4着が前年覇者でフランケルと同じセシル厩舎のトワイスオーバー。09、10年の英チャンピオンS、10年のエクリプスSを勝っていて、09年にはBCクラシックでゼニヤッタの3着に入った馬です。5着はフランケルの兄でペースメーカーのビュレットトレイン。6着はスリプトラ。次走はジャパンCでした。7着はプラントゥール。前年ガネー賞を勝っているG1ウイナーで同年のドバイワールドカップはモンテロッソの3着。8着ロビンフッド、9着ウィンザーパレスはセントニコラスアビーと同じエイダン・オブライエン厩舎の馬でした。

ラストランの英チャンピオンSは2着シリュスデゼーグル、3着ナサニエル、4着がドイツダービー馬パストリウス、5着が3月にドバイのジェベルハッタを勝っているマスターオブハウンズ、最下位6着がお兄さんビュレットトレイン。

12年英チャンピオンSの翌週、フランケルの強さを表現したレーシングポストの紙面

12年英チャンピオンSの翌週、フランケルの強さを表現したレーシングポストの紙面

最後まで読んでいただいた方は疲れたと思います。すいません。なんとなくですが、フランケルのすごさの一番最初の部分が伝わってくれればと…。

【木南 友輔】

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